離婚理由は人それぞれ。
DVによる離婚、借金による離婚、不倫による離婚。
しかし具体的で明確な、他人に示せるような離婚理由がない場合は困るシーンが多々あります。

離婚調停の申立書の「申立ての動機」欄でも一番最初に「1 性格があわない」という項目があります。
果たしてこの性格の不一致とはどこまでの範囲をカバーしているのでしょうか。
そこで、本日は「性格の不一致」について具体的な例を集めてみたので、参考にしてください。

前夫の意味不明な「性格の不一致」アピールでも離婚申立は受理された
私たちは調停離婚で、驚くことに有責配偶者(不倫をシタ側)の前夫が私が調停申立書を提出する数日前に離婚調停の申立てを行っていました。
不倫したくせに一体何を理由に離婚調停を申し立てたのか。

(その他、「精神的に虐待する」「生活費を渡さない」「家族と折り合いが悪い」に〇がついていました。)
運よく離婚調停申立書のコピーを入手していたのですが、そこに書かれていた驚愕の内容を3つ"厳選して"ご紹介しますね。
- 靴下を買ってくれなかった
- お小遣いを増やしてくれなかった
- 母と仲良くしてくれない
く…くつした⁉
お小遣い⁉
母⁉


と、「靴下を買ってくれなかった」という意味不明な理由を書いていても離婚調停申立書は受理されたわけで…。
つまり、離婚調停の申立て等において、「性格の不一致」の定義は超絶曖昧で、それなりーなことが書いてあれば受理されるということ。

※弁護士に聞いたところ、離婚調停の申立てが受理されなかったというパターンはほぼないとのこと。必要事項がきちんと書けてさえいれば、「性格の不一致」の内容がくだらない内容でも、離婚調停は執り行われるとのことです。
ほかにもある!「性格の不一致」具体例
私の周りには離婚経験者が多いです。
そのうち半分くらいが「シタ妻」「サレ妻」「サレ夫」なのですが、みんな離婚時に「性格の不一致」についても触れたとのこと。
その具体例を見ていきましょう。
性格の不一致具体例#01
ダンナはきれい好き。当時私は残業が多くて、夕食後も洗い物をせずにうたた寝してしまったことがあった。
夜中目が覚めてキッチンに向かうと、洗っていない食器が全て割って捨てられてた。
性格の不一致具体例#02
元夫はお母さんが大好きで、大切なことほど全部お母さんに相談して決めてもらう感じでした。
家を買うことにして、珍しく優柔不断の前夫が物件を即決したと思ったら、実はお母さんが調べて指示してて。
契約の日に頭金を持ってお母さんが登場して、「一緒に住もう」と言われた時離婚を決意し、実際にこの出来事を離婚理由として挙げました。
性格の不一致具体例#03
妻は「異性間の友情はアリ」派。
男友達が多く、結婚後は週末はいつも男友達と飲み歩いていた。
自分は「異性間の友情はナシ」派。合わない。
性格の不一致具体例#04
うちの場合は「性格」というよりも子育てに対する考え方が違って離婚した。
子供は勉強だけしてればいいっていう旦那だったから、もうダメだなって思って。
性格の不一致具体例#05
結婚しても仕事続けていいよって言ってたのに、私の事業が成功してダンナの収入を超えたくらいから様子が変わってきた。
「本当は専業主婦になってほしかった」って言われたり、大事な商談があるときにわざと体調崩して看病するよう指示したり。
私の人生なんだと思ってるの⁉って別居して、そのまま離婚になった。
スポンサーリンク
「性格の不一致」による離婚は協議離婚か調停離婚で
性格の不一致によって離婚したという人は多いですが、性格の不一致により離婚を認められるのは話し合いによる「協議離婚」と調停による「調停離婚」のみ。
裁判離婚では性格の不一致による離婚は基本的に認められないので注意しましょう。
(性格の不一致による別居が長期間続いた場合や、性格の不一致により精神疾患を患った場合などは離婚が認められることがあります)
やはり「性格の不一致」は離婚理由としてやや弱め。わがままと捉えられても仕方ありません。

上手にアピールしないと単なる「夫婦喧嘩の延長」と捉えられることもあるので、協議離婚・調停離婚の際も性格の不一致以外の理由を用意しておくと安心です。
「性格の不一致」による離婚で慰謝料を請求するコツ
「性格の不一致」という離婚理由は弱いとお話しましたが、「性格の不一致」はお互いさまという意識が強いため、慰謝料請求ができないことが圧倒的に多いです。
そのため、性格の不一致を理由に離婚を思い立った場合でも、弁護士等からその他の離婚原因はないかと尋ねられることがほとんど。

性格の不一致で離婚を検討しているということは、つらい思いをしていることですよね。
慰謝料を取らずに離婚するのは悔しくないですか?
第三者から見れば、「それ、立派な離婚理由になりますよ!」という事案も多いもの。
少しでも有利に離婚するためにも、「性格の不一致」で離婚を考えているなら一度弁護士に相談してみましょう。

(小声)離婚理由は「言いよう」です
「夫の収入が少ないから離婚したい」
そう思った友人は「家族をすててかえりみない」という項目に◎をつけて離婚調停にのぞみました。
普段からけんかが絶えずにセックスレスになっていたので「性的不調和」にも〇をつけたそうです。
最初にその話を聞いたときは「本当に?」と思いましたが、喋りが達者な上、離婚に強い弁護士を依頼。
結果的に慰謝料50万円と養育費を勝ち取って離婚が成立しました。

こんな友達(サレ夫)もいます。
不倫がバレた妻と喧嘩になった際、彼は家を出ようとする妻の腕をつかみました。
その際強く掴みすぎて妻の腕には赤い痕が。
それの画像を証拠に妻は「DV」を理由にして離婚調停を申立て。
不倫のことを話しても証拠がないからと調停員に相手にされず、DV加害者として離婚が成立。

(ぶっちゃけ調停離婚は調停員の当たりはずれあります。彼は最初から圧倒的に妻の味方をする調停員を見て、勝ち目はないと思ったそうです。)
「性格の不一致」で離婚を考えて、少しでもいい条件で離婚をしたい。
そう思ったら弁護士への相談は必須。
